シールド評論・その1
オンスロート・レギオン環境のシールドデッキ構築について考察します。やり方ですが、私とその他数人の仲間で同じカードプールでのデッキ構築を行います。その後、お互いに作成したデッキ同士で10戦ほどのマッチを行い、勝率や各々の採用したカードについての議論、評論、感想などを検証しました。トーナメントでの限定戦の割合も増えていることですし、シールドデッキ構築の一助になれば幸いです。
※限定戦タッチ3色目の意味とあわせてご覧ください
オンスロートのスターター、レギオンのブースター×2のカードプールを以下に掲載します。これをごらんの皆さんも下の考察を読む前に色選択くらいをこなしてみてください。なかなか手ごわいと思います。
白:
《エイヴンの兵団長/Aven Brigadier(ONS)》
《エイヴンの救い手/Aven Redeemer(LGN)》
《魂を見つめるエイヴン/Aven Soulgazer(ONS)》
《精油スリヴァー/Essence Sliver(LGN)》
《熟達の刃の精鋭/Deftblade Elite(LGN)》
《疾風衣の侵略者/Gustcloak Harrier(ONS)》
《白騎士/White Knight(LGN)》
《宝石の手の報復者/Gempalm Avenger(LGN)》
《畏敬の冠/Crown of Awe(ONS)》
《新たな信仰/Renewed Faith(ONS)》
《篤信の魔除け/Piety Charm(ONS)》
《防御体制/Defensive Maneuvers(ONS)》
《オーラの摘出/Aura Extraction(ONS)》
青:
《逃げ出したプライモック/Primoc Escapee(LGN)》
《運命をかたどるエイヴン/Aven Fateshaper(ONS)》
《残響の追跡者/Echo Tracer(LGN)》
《締めつける綱/Choking Tethers(ONS)》
《激浪の多相の戦士/Riptide Shapeshifter(ONS)》
《上昇するエイヴン/Ascending Aven(ONS)》
《きらめく翼の発動者/Glintwing Invoker(LGN)》
《狡猾な抜け道魔道士/Crafty Pathmage(ONS)》
《セファリッドの抜け道魔道士/Cephalid Pathmage(LGN)》
《霧衣の仮面/Mistform Mask(ONS)》
《鳴き叫ぶウミタカ/Screaming Seahawk(ONS)》
《虚空魔道士の弟子/Voidmage Apprentice(LGN)》
《計略の魔除け/Trickery Charm(ONS)》
《ひねくれた研究者/Warped Researcher(LGN)》
黒:
《ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk(ONS)》
《卑劣なアヌーリッド/Wretched Anurid(ONS)》
《憑依された死者/Haunted Cadaver(ONS)》
《腐れざる喧嘩屋/Embalmed Brawler(LGN)》
《ゴブリンの裏切り者/Goblin Turncoat(LGN)》
《敵意の信奉者/Disciple of Malice(ONS)》
《宝石の手の汚染者/Gempalm Polluter(LGN)》
《不快な助祭/Vile Deacon(LGN)》×2
《魂無き者/Soulless One(ONS)》
《不敬の祈り/Profane Prayers(ONS)》
赤:
《スカークの匪賊/Skirk Marauder(LGN)》
《陽光の突風/Solar Blast(ONS)》
《無頓着の波/Wave of Indifference(ONS)》
《冠毛の岩角獣/Crested Craghorn(LGN)》×2
《ゴブリンの働き者/Goblin Dynamo(LGN)》
《鎚鉾尾のヒストロドン/Macetail Hystrodon(LGN)》
《尾根の頂の猛禽/Ridgetop Raptor(LGN)》
《ゴブリンの監督官/Goblin Taskmaster(ONS)》
《狩人スリヴァー/Hunter Sliver(LGN)》
《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder(ONS)》
《ゴブリンの空襲部隊/Goblin Sky Raider(ONS)》
《ゴブリンの放火魔/Goblin Firebug(LGN)》
《とどろく蹄音/Thunder of Hooves(ONS)》
《権利争い/Custody Battle(ONS)》
《危険な移動/Risky Move(ONS)》
緑:
《残忍な先祖返り/Feral Throwback(LGN)》
《ケンタウルスの地/Centaur Glade(ONS)》
《梢を這うもの/Canopy Crawler(LGN)》
《クローサの大牙獣/Krosan Tusker(ONS)》
《森林守りのエルフ/Timberwatch Elf(LGN)》×2
《ナントゥーコ自警団/Nantuko Vigilante(LGN)》
《共生するエルフ/Symbiotic Elf(ONS)》
《ワイアウッドの伝令/Wirewood Herald(ONS)》
《エルフの戦士/Elvish Warrior(ONS)》
《エルフの開拓者/Elvish Pioneer(ONS)》
《エルフの潰し屋/Elvish Scrapper(ONS)》
《帰化/Naturalize(ONS)》
《エルフの案内/Elvish Guidance(ONS)》
土地:
《海辺の安息所/Seaside Haven(ONS)》
《忘れられた洞窟/Forgotten Cave(ONS)》
《隔離されたステップ/Secluded Steppe(ONS)》
1.着目すべき点
ブースタードラフトと違い、シールド構築においては各カード間のシナジィよりも単体でのカードパワーがより評価されます。これはブードラの方がある程度自分の意志に沿ったカードプール選択をできるのに対して、シールドでは完全に運に左右されるからです。カード間のシナジィにあまり焦点を当てられない分、シールドにおいてはまず各色間の中での単体カードの強さに着目すべきです。
ここでは実際に私達が構築した視点からシールド構築の実例を検証してみましょう。
まずは各色におけるカードパワーを比較します。
≪カード比較≫
各色の中に爆弾級のカードがあればそれはその色を選択する大きな理由となります。また爆弾級カードのほかに、除去、ENDカード、効率のよいクリーチャー等を9点、8点、7点のレベルでばらします。ここで大体使用する3色を決定します。この環境は重いです。ブードラの時とくらべてマナコストの軽さよりも、カードパワー、クリーチャーサイズに重点を置いてください。
白:
9点★《エイヴンの兵団長/Aven Brigadier(ONS)》
8点《エイヴンの救い手/Aven Redeemer(LGN)》
8点《魂を見つめるエイヴン/Aven Soulgazer(ONS)》
7点《精油スリヴァー/Essence Sliver(LGN)》
7点《熟達の刃の精鋭/Deftblade Elite(LGN)》
7点《疾風衣の侵略者/Gustcloak Harrier(ONS)》
青:
8点《残響の追跡者/Echo Tracer(LGN)》
7点《逃げ出したプライモック/Primoc Escapee(LGN)》
7点《運命をかたどるエイヴン/Aven Fateshaper(ONS)》
7点《締めつける綱/Choking Tethers(ONS)》
7点《上昇するエイヴン/Ascending Aven(ONS)》
黒:
8点《ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk(ONS)》
赤:
8点《スカークの匪賊/Skirk Marauder(LGN)》
8点《陽光の突風/Solar Blast(ONS)》
8点《無頓着の波/Wave of Indifference(ONS)》
7点《冠毛の岩角獣/Crested Craghorn(LGN)》×2
7点《ゴブリンの働き者/Goblin Dynamo(LGN)》
緑:
9点★《残忍な先祖返り/Feral Throwback(LGN)》(ビーストが多いこと限定)
9点★《ケンタウルスの地/Centaur Glade(ONS)》
8点《梢を這うもの/Canopy Crawler(LGN)》(ビーストが多いこと限定)
8点《森林守りのエルフ/Timberwatch Elf(LGN)》×2(エルフが多いこと限定)
7点《クローサの大牙獣/Krosan Tusker(ONS)》
7点《共生するエルフ/Symbiotic Elf(ONS)》
※この時点で黒にはご退場いただくのが正論というのがわかると思います。青もややパワー不足です。メインカラーの選択は白、赤、緑の中から行われます。
2.デッキ構築
カード比較の後、実際にデッキ構築を行います。
≪プラン1≫
カードパワーの強い白緑を基軸にタッチで除去の赤をくわえた構成です。
白緑+赤
白8
《エイヴンの兵団長/Aven Brigadier(ONS)》
《エイヴンの救い手/Aven Redeemer(LGN)》
《魂を見つめるエイヴン/Aven Soulgazer(ONS)》
《精油スリヴァー/Essence Sliver(LGN)》
《熟達の刃の精鋭/Deftblade Elite(LGN)》
《疾風衣の侵略者/Gustcloak Harrier(ONS)》
《白騎士/White Knight(LGN)》
《新たな信仰/Renewed Faith(ONS)》
緑8
《残忍な先祖返り/Feral Throwback(LGN)》
《ケンタウルスの地/Centaur Glade(ONS)》
《梢を這うもの/Canopy Crawler(LGN)》
《クローサの大牙獣/Krosan Tusker(ONS)》
《共生するエルフ/Symbiotic Elf(ONS)》
《森林守りのエルフ/Timberwatch Elf(LGN)》×2
《ワイアウッドの伝令/Wirewood Herald(ONS)》
赤6
《スカークの匪賊/Skirk Marauder(LGN)》
《陽光の突風/Solar Blast(ONS)》
《無頓着の波/Wave of Indifference(ONS)》
《冠毛の岩角獣/Crested Craghorn(LGN)》×2
《鎚鉾尾のヒストロドン/Macetail Hystrodon(LGN)》
土地
《忘れられた洞窟/Forgotten Cave(ONS)》
《隔離されたステップ/Secluded Steppe(ONS)》
《平地/Plains》×7
《森/Forest》×6
《山/Mountain》×3
無理なくパワーカードを採用した構成で、ビーストの数も6とそれなりの数がそろっています。できれば《尾根の頂の猛禽/Ridgetop Raptor(LGN)》も加えたいところですが、赤はタッチという立場上やむをえないでしょうか。問題があるとすれば白8:緑8:赤6というややメインとタッチの数が不鮮明な点と、除去がタッチ色になっているので信頼性が劣るというところです。ただ、《クローサの大牙獣/Krosan Tusker(ONS)》が頼もしい存在ですので、環境の重さから考えても色事故を起こす可能性はそんなに高くないと思われます。《ワイアウッドの伝令/Wirewood Herald(ONS)》や《冠毛の岩角獣/Crested Craghorn(LGN)》を抜いて《オーラの摘出/Aura Extraction(ONS)》や《宝石の手の報復者/Gempalm Avenger(LGN)》などのサイクリングカードを採用することで色事故率を引き下げることも考えられます。
山を引いてこないうちに競り負ける状況さえなければ最強の構成でしょう。
≪プラン2≫
粒のそろった赤をメインに据え、緑のパワーカードをタッチで採用した形です。
白赤+緑
白8
《エイヴンの兵団長/Aven Brigadier(ONS)》
《エイヴンの救い手/Aven Redeemer(LGN)》
《魂を見つめるエイヴン/Aven Soulgazer(ONS)》
《精油スリヴァー/Essence Sliver(LGN)》
《熟達の刃の精鋭/Deftblade Elite(LGN)》
《疾風衣の侵略者/Gustcloak Harrier(ONS)》
《白騎士/White Knight(LGN)》
《新たな信仰/Renewed Faith(ONS)》
赤9
《冠毛の岩角獣/Crested Craghorn(LGN)》×2
《鎚鉾尾のヒストロドン/Macetail Hystrodon(LGN)》
《ゴブリンの働き者/Goblin Dynamo(LGN)》
《スカークの匪賊/Skirk Marauder(LGN)》
《尾根の頂の猛禽/Ridgetop Raptor(LGN)》
《陽光の突風/Solar Blast(ONS)》
《無頓着の波/Wave of Indifference(ONS)》
《とどろく蹄音/Thunder of Hooves(ONS)》
緑5
《ケンタウルスの地/Centaur Glade(ONS)》
《ナントゥーコ自警団/Nantuko Vigilante(LGN)》
《クローサの大牙獣/Krosan Tusker(ONS)》
《梢を這うもの/Canopy Crawler(LGN)》
《残忍な先祖返り/Feral Throwback(LGN)》
土地22
《忘れられた洞窟/Forgotten Cave(ONS)》
《隔離されたステップ/Secluded Steppe(ONS)》
《山/Mountain》×6
《平地/Plains》×6
《森/Forest》×4
赤をメインに据えることで白緑の弱点であった”除去の不安定さ”が取り除かれています。実際手札に除去があるのに打てない状態というのは負けに直結する原因にもなるので、最重要かつそこそこ粒のそろった赤をメインカラーに採用するというのは考えられることでしょう。
ただしタッチ色の緑にはマナベースに不安が残るカードが多く、そこがこの構成の最大の弱点ともなります。とはいえ緑のカードパワーには無視できないものがあります。《ケンタウルスの地/Centaur Glade(ONS)》や《残忍な先祖返り/Feral Throwback(LGN)》が弱いはずは無く、赤をメインに据えている以上、ビーストの数は問題なく供給できそうです(7枚)。シールド環境での遅さを考慮してやや苦しいながら前記2カードを採用し、森を4枚くわえてみました。《クローサの大牙獣/Krosan Tusker(ONS)》はタッチ採用に値するカードではないのですが、他の白赤のカードで見るべきものも無いので採用してみました。増幅カードの足しになるというやや後ろ向きな理由もあります。
私が実戦で選択したのはこの構成です。
≪プラン3≫
色拘束の強い白を切り捨てて緑と赤をメインに据えた構成です。回避能力の少なさを補うために、タッチで青の飛行クリーチャーをくわえてあります。
緑赤+青
緑9
《ケンタウルスの地/Centaur Glade(ONS)》
《ナントゥーコ自警団/Nantuko Vigilante(LGN)》
《クローサの大牙獣/Krosan Tusker(ONS)》
《梢を這うもの/Canopy Crawler(LGN)》
《森林守りのエルフ/Timberwatch Elf(LGN)》×2
《ワイアウッドの伝令/Wirewood Herald(ONS)》
《共生するエルフ/Symbiotic Elf(ONS)》
《残忍な先祖返り/Feral Throwback(LGN)》
赤10
《冠毛の岩角獣/Crested Craghorn(LGN)》×2
《鎚鉾尾のヒストロドン/Macetail Hystrodon(LGN)》
《ゴブリンの働き者/Goblin Dynamo(LGN)》
《スカークの匪賊/Skirk Marauder(LGN)》
《尾根の頂の猛禽/Ridgetop Raptor(LGN)》
《陽光の突風/Solar Blast(ONS)》
《とどろく蹄音/Thunder of Hooves(ONS)》
《ゴブリンの監督官/Goblin Taskmaster(ONS)》
《狩人スリヴァー/Hunter Sliver(LGN)》
青3
《残響の追跡者/Echo Tracer(LGN)》
《逃げ出したプライモック/Primoc Escapee(LGN)》
《上昇するエイヴン/Ascending Aven(ONS)》
土地23
《忘れられた洞窟/Forgotten Cave(ONS)》
《森/Forest》×7
《山/Mountain》×7
《島/Island》×2
パワーカードの含まれる緑を基軸に除去の赤をサブ、タッチで無色での活用が可能な青3種類のカードを採用しました。全ての構成の中でもっとも安定したマナベースを持つ構成となります。白が抜けている分カードパワーの面で若干上記2色よりも見劣りしているのが欠点となります。安定性かカードパワーか、この辺の選択が肝となるでしょう。
私の相方が採用した構成でもあります。
3.実際にまわしてみる
上記2つのデッキでマッチアップを10回行いました。その結果わかったことがいくつかあります。
・戦績の考察
戦績自体は白赤vs緑赤で私(白赤)が7勝3敗となりました。ただし、これはデッキパワーというよりは相性の問題が多々含まれていることが考えられます。とはいえ戦績は戦績ですので何故こうなったか考察してみましょう。
緑赤には必須パーツが欠けています。それは《毒吐きゴルナ/Spitting Gourna(ONS)》に代表される蜘蛛クリーチャーです。特に赤緑は白や青とのマッチアップにおいて、飛行クリーチャーが絡んだダメージレースで不利な立場にたたされます。システムクリーチャーでない単なるファッティなら白は何とかなってしまうのです(タフネスの高いブロッカーや《熟達の刃の精鋭/Deftblade Elite(LGN)》等)。白に存在する4枚の飛行カードは赤緑を苦しめる大きな要因になります。
・構成面での考察(主に本人談)
≪白赤編≫
タッチ採用の《ケンタウルスの地/Centaur Glade(ONS)》ですが、これはやや疑問が残ります。10回中2回ほどまわり、1回は勝利に貢献できましたが、やはり緑主体のほうが威力は大きく、手札に腐ったことも3回ほどありました。逆に《残忍な先祖返り/Feral Throwback(LGN)》は同じ色拘束ですが、勝利に2回ほど貢献してくれました。タッチ採用すべきかどうかこれも微妙な《クローサの大牙獣/Krosan Tusker(ONS)》は意外と活躍の機会がありました。手札で腐ったことが2回ほどありましたが回ったときの恩恵(特にマナブースト)が大きく、《梢を這うもの/Canopy Crawler》の増幅にやや貢献しました(この点については《残忍な先祖返り》が手札に腐ったときも同様)。《ナントゥーコ自警団/Nantuko Vigilante(LGN)》はMorphということで活躍しない場面はありませんでした。特にマッチアップで相手も《ケンタウルスの地》を使ってくるということもあったので、これのプレイング次第で負けたり勝ったりと影響力は大きかったです。結局趣味次第ですが《ケンタウルスの地》を抜く選択肢はありのように思えます。
《ケンタウルスの地》に変えて白のサイクリングカードあたりを採用するオプションは存在するでしょう。マナベースは《森》4枚というタッチにしては多目の枚数を裂いたわけですが、10回中メインカラーでの色事故はありませんでした。
また《とどろく蹄音/Thunder of Hooves(ONS)》はダメポです。1回だけ勝利に寄与したことがありましたが、どちらかといえば同時に場に出ていた《残忍な先祖返り/Feral Throwback(LGN)》のほうが重要だった気がします。ただし、相手もビースト主体ですので通常よりはいい働きはしているでしょう。あまりメイン採用はお勧めできません。これを《ゴブリンの監督官/Goblin Taskmaster(ONS)》に変えればベストだったかなというのが結論です。
≪緑赤編≫
緑赤の構成では「重すぎた」というのが敗因になったのが何回かあったようです。たしかに中堅クリーチャー(4、5マナ域)の質に関しては白を含めている方が一歩優れているように見えます。実際の試合内容は、ほとんど1ターン差での負けが2回ほどあり、この微妙な重さがその原因であった可能性はあります。
しかし、緑赤の本人曰く「土地の枚数を17にしたのが間違い」であったというのが一番大きいようです。実際のプレイでは微妙に1マナ足りなくて回り負けた場面が多かったようで、「サイクリングランドは土地ではなくキャントリップカード」として数えるべき、と言うのは正しいようです。確かに環境的に6,7マナからが勝負なわけですが、実際に4,5マナ出ている状態ならサイクリングランドは9割方サイクリングするのが人情でしょう。となると後半戦の出だしが微妙に遅れるわけで、かといってサイクリングしない手は無いし・・・「サイクリングランドよりも基本地形のほうがタップインしない分強い」などと本人は冗談めかしていましたが、正解なのは土地を18枚採用する、でしょう。共通の理解事項であった《とどろく蹄音》を抜いて土地を1枚採用するのがもっとも適切だったようです。サイクリングランドは0.5枚分と計算した上で18枚になるような割合が良いでしょうか?(サイクリングランド4枚なら基本地形は16枚!)
タッチカードについては私も回させてもらいましたが、そのMorph、サイクリングのおかげで手札で腐る場面はありませんでした。実際《残響の追跡者》は直接勝利に貢献したことが1回、有利な状況に貢献したことが1回あり、タッチ採用の価値は十二分にあったようです。
4.総括
実戦では私が白赤、相方が緑赤という色を選択したのですが、後々見直してみると白緑がもっともカードパワーが高く、マナベースもそこそこであり、シールド構築で作成すべきデッキのように思えます。白赤はタッチに使用する緑カードのマナベースに不安を残し、緑赤はパワーのある白のカードをすべてばっさり切ってしまっているからです。
考察の結果、私の結論としては白緑最強ということになりました。冒頭のカードプールを見た皆さんはどのような選択をされたでしょうか?実際の試合ではこれらの選択を限られた時間の中でなさなければなりません。今回の例でも、実際に作ったデッキと後の考察とでは違った結果になったわけでして・・・。とりあえずシールドデッキを作るときの心構えは以下のとおりです。
・最もカードパワーの強い色3つを使用する。
・その中で最もマナベースの安定した構成をメインサブタッチで作成する。
他にも各アーキタイプ中の必須パーツの有無、マナベース問題(土地比率ですね)など、考慮しなければならない要素はまだまだあるようです。まずは一歩。カードパワーを生せるマナ基盤を持ったデッキを作れるようになりましょう。
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