**オンスロートレギオン環境での限定戦におけるタッチ3色目の意味**


 オンスロートレギオン環境で限定戦デッキを組む場合、あなたは何種類の色で組むことが多いでしょうか?多くの場合2色か3色であると推測されます。ではどのような場合に2色で組み、どのような場合に3色で組むのでしょう?タッチ3色目の役割というのをONLEG環境を分析しながら考えていきましょう。

1. 2色と3色の違い
 環境内標準構成は2色デッキです。そして2色と3色の違いは微妙なものですが、一言で言い表すことができます。

色事故のおきる割合

これにつきます。
 色事故とは手札のカードがマナベースの色不足により使用できない状態のことをいいます。これを土地事故ということもありますが、ここでは土地事故=土地を引かない、色事故=必要な色マナを出す土地を引かない、ということにしておきましょう。逆土地事故というのは文字通り土地事後の逆で土地ばかり引いてスペルカードを引かない状態のことを指します。
 経験のある人はわかると思いますが、色事故を起こした場合のゲームは悲惨です。恨めしい思いをしながら場を蹂躙されて投了まで持っていかれることも珍しくなく、場合によっては序盤の色のもたつきによってテンポを奪われて守勢にたたされて押し切られるケースもあります。
 3色デッキは2色デッキに比べてこの色事故の起こる割合が増えています。また一言で3色といってもメインカラー2色にタッチで3色目という構成が一般的です。標準的な40枚デッキならば土地以外のカード数は22〜23枚です。とすると、
1色目:9〜12枚
2色目:6〜9枚
3色目:3〜5枚
くらいの範囲内で動くことがもっとも適切といえるでしょう。
 では上記の前提条件のもとで何故マナベースの安定している2色以上の色数を求めるのでしょう?

理由1:パーツが足りないから
 これはなぜ単色デッキを組まないかの理由と似ています。異なる点は、2色という本来十分デッキ構築可能なはずのカードプールに恵まれていない、という点です。ブースタードラフトならばこのような事態に陥ったドラフトテクニックを反省すべきところですが、シールド戦ならば致し方ないところです。どちらにせよ汎用性とカードパワーを求めて不安定なマナベースに挑むという過酷な状況であり、ある意味腕の見せ所となるでしょう。

理由2:より高い汎用性とカードパワーを求めて
 これが本来一番理想的な3色目をくわえる理由となります。通常2色で十分理想的なマナベースを持つデッキを構築することができるはずなのですが、マナベースの安定性を犠牲にする価値が3色目にあるわけです。何も考えずに3色目を散らしている人はこの辺を改めて留意する必要があります。

通常のデッキは2色で十分です。
3色目を組み入れるからには3色目のカードにそれなりの理由と価値があるはずです。

2. タッチ3色目に値するカード
 さて、タッチ3色目に採用するカードですがいくつかの条件があります。

条件1:カードパワーが高いこと
 マナベースを不安定にしてまで採用するカードです。効率的な除去(例:《めった切り/Slice and Dice(ONS)》、《残酷な蘇生/Cruel Revival(ONS)》)、戦場を支配できるファッティ(例:《そびえ立つベイロス/Towering Baloth(ONS)》、《樹皮革のやっかいもの/Barkhide Mauler(ONS)》)、 大ダメージを与えるエンドカード(例:《無頓着の波/Wave of Indifference(ONS)》、《戦慄の葬送歌/Dirge of Dread(ONS)》)など、カードパワーが要求されることは必至です。そのカードに対する考察、評価をきちんと行えることが大切です。また、種族カードのような単体では効果を発揮しないカードはあまりタッチ採用の可能性はありません。理由は明白でしょう。

条件2:中盤、後半に効果を発揮するカード
 タッチ3色目のカードは序盤に使用することを考えてはいけません。通常3色目の土地は2〜4枚に抑えられていることが多く、その少数の土地を序盤に引けるという確率は低いからです。《栄光の探求者/Glory Seeker(ONS)》は最序盤のテンポクリーチャーとして優秀な部類ですが、タッチで入れられる可能性はほとんどありません。逆に通常の白デッキでは入る可能性の低い《群集の寵児/Crowd Favorites(ONS)》や各種”発動者”などはタッチ採用の価値があるカードといえます。

条件3:色拘束が薄い
 通常、タッチ採用するカードは要求される色マナが1つであることが望ましいです。理由は火を見るよりも明らかでしょう。どこかでシールド戦は長引くからタッチ色でも《獅子面のタイタン、ジャレス/Jareth, Leonine Titan(ONS)》や《悪辣な精霊シルヴォス/Silvos, Rogue Elemental(ONS)》なら採用すべきという意見も目にしました。この理論はブースタードラフトやロチェスタードラフトではやや考えにくいです。前述のようなタッチ採用をする場合は、自分のデッキが膠着を前提としたアーキタイプになっているかどうかの見極めが必要です。

また条件とは別に考慮する要素があります。これから示す要素をもっているカードはタッチ採用しやすいといえます。

要素1:無色サイクリングを持っていること
 無色サイクリングを持っているカードは常にタッチ採用の可能性を秘めています。《樹皮革のやっかいもの/Barkhide Mauler(ONS)》や《不毛化/Lay Waste(UZ)》、《鎚鉾尾のヒストロドン/Macetail Hystrodon(LGN)》などは有用な能力と無色サイクリングという汎用性を秘めたナイスカードです。これらのカードだけのために3色目を散らすということはないでしょうが、タッチ採用での選択肢には入れておくだけのパフォーマンスがあります。

要素2:Morph(変異)持ちであること
 これは要素1と似通っています。ONLEG環境ならではのタッチ条件といえましょう。どんなカードでもMorphを持っていれば、3マナ2/2としての働きが約束されています。またレギオンの参入によって有用なMorphカードが多数追加され、タッチMorphは十分現実性が高いプランとなってきました。《皮を剥ぐ者/Skinthinner(LGN)》や《スカークの匪賊/Skirk Marauder(LGN)》といったカードは常にタッチ採用の可能性を秘めています。

3.実際にカードをあげてみる
 前置きが長くなりましたが、具体的な例を挙げてONLEG環境でタッチ3色目する価値があるカードを見ていきましょう。●マークはこのカードそのものが取れたならタッチ採用を考えてもよいというカードです。マークがないカードはその色をタッチすることに決めたときに考慮すべきカード、もしくは複数のそのカードが集まったときにタッチ採用を考慮すべきカードです。

白:
白にはあまりタッチしてまで採用したいカードは存在しません。

《アクローマの復讐/Akroma's Vengeance(ONS)》
環境内《神の怒り/Wrath of God(7E)》。色拘束が強いのが残念だがうまく色バランスを工夫してタッチ採用を試みる価値はある。なによりサイクリングがついているのがすばらしい。

《群集の寵児/Crowd Favorites(ONS)》
通常では重くて採用をためらうことが多いでしょうが、カードパワーは確実にあります。暴れ始めるのは8マナそろう頃とやや遅めですが、タッチ採用するだけの能力はあるでしょう。取りやすいのも魅力的です。

《賛美されし天使/Exalted Angel(ONS)》
通常でも爆弾級のカードですが、取れたのならMorph能力ともあいまってタッチ採用するだけの力は持っているでしょう。色拘束がやや強いのが欠点ですが、そこまでのリスクを負う価値はあります。っとりあえず無色で2/2の活躍は保証されていますから。

《疾風衣の救済者/Gustcloak Savior(ONS)》
単なる3/4飛行ですが、この環境では有用です。5マナそろう頃にはタッチ色の土地を引いている可能性も低くはないでしょう。典型的なファッティ型タッチカードです。

《間に合わせの鎧/Improvised Armor(ONS)》
そのサイクリング能力とあいまって戦場を支配する力を持ちます。タッチ採用にはうってつけのカードです。

《平和な心/Pacifism(ONS)》
マナコスト自体は低いですが、いつ引いても役に立たない場面はありません。2枚以上取れたならこのカードのためだけにタッチ採用を考えてもよいでしょう。

《鞭縄使い/Whipcorder(ONS)》
Morphをもっているために採用しやすい良いカードです。これも最序盤から後半戦まで役に立たない場面はありません。タッチ白を促す逸品です。

《エイヴンの救い手/Aven Redeemer(LGN)》
これのためにタッチ白するのかといわれれば少々物足りないですが、タッチ白にするならば選択肢には入るカードです。2点軽減はそこそこの支配力を持ちます。

《ダールの奉納者/Daru Sanctifier(LGN)》
エンチャント対策として《啓蒙/Demystify(ONS)》よりも採用しやすいといえましょう。Morphを持っていることからもこのカードの汎用性は見て取れます。タッチ白に決めたなら考慮してもいいでしょう。

青:
青も白同様あまりタッチしてまで採用したいカードはありません

《運命をかたどるエイヴン/Aven Fateshaper(ONS)》
単なるファッティ飛行ですが、後半になれば他の色にはないライブラリ操作によって手助けとなってくれるでしょう。これ単体でタッチ色を決めれるかといえばそこまでの力はありません。

《締めつける綱/Choking Tethers(ONS)》
役に立たない場面はないということで、タッチ青ならば採用する価値はあるでしょう。

《水銀のドラゴン/Quicksilver Dragon(ONS)》
色マナの薄いMorphファッティ。典型的なタッチカードです。

《金属殻のカニ/Chromeshell Crab(LGN)》
Morphかつ相手のクリーチャーをかっぱらう=除去。アドバンテージカードということで。

《秘密調査員/Covert Operative(LGN)》
単体での能力は低目かもしれないですが、確実なクロッカーとして緑や赤などの回避能力の低い色にとっては重宝されるでしょう。緑の蜘蛛系クリーチャーによって飛行系にいまいち信頼が置けない環境というのもこのカードの価値を後押ししています。

《残響の追跡者/Echo Tracer(LGN)》
ギミッククリーチャーとしてはなかなかのものです。タッチ青という自体はそうは発生するものではありませんが、そうなったときには考慮していいカードでしょう。

《慧眼のエイヴン/Keeneye Aven(LGN)》
2マナサイクリングがタッチ採用にうってつけの能力です。基本である4マナ2/3飛行という能力も及第点以上です。

《逃げ出したプライモック/Primoc Escapee(LGN)》
《慧眼のエイヴン/Keeneye Aven(LGN)》の上位版です。通常のタッチファッティにくわえて無色の2マナサイクリングという汎用性が売りとなっています。

黒:
黒の最大の売りは除去です。白緑、白青などのアーキタイプには大きな助けとなってくれるでしょう。

《アフェット式底ざらい/Aphetto Dredging(ONS)》
いかに種族カードを集められるかにかかっていますが、カード自体が中盤以降にならないと威力を発揮しない点でタッチ採用を考えてもよいカードです。

《闇の覆い/Cover of Darkness(ONS)》
《戦慄の葬送歌/Dirge of Dread(ONS)》の上位版です。ゲームを決める力があるのでタッチ採用の価値はあります。

《残酷な蘇生/Cruel Revival(ONS)》
タッチしたいナンバーワンコモンです。役に立たない場面はありません。とはいえやや重過ぎるのとゾンビを回収できない点が気になりますが。元から重いので5マナそろう頃にはタッチ土地を引いている可能性も低くありません。これは開き直りか・・・

《戦慄の葬送歌/Dirge of Dread(ONS)》
回避能力の低い緑、赤、パンチ力の弱い青、白、あらゆる色で必要とされるカードです。膠着しやすい環境もこのカードの強さを後押ししています。タッチ採用した場合はサイクリングの割合が減るかもしれませんが、時にはサイクリングしたほうが良い場面もあるでしょう。

《暴食するゾンビ/Gluttonous Zombie(ONS)》
3点クロッカーです。この環境では飛行より信頼が置けます。フィニッシャーとして採用する価値はあるでしょう。

《蔓延/Infest(ONS)》
色拘束のきつさからタッチ採用するには勇気が要るかもしれませんが、このカードはそれほど強力な力があります。タッチ土地のバランスを多めにして採用することをおすすめします。(といってもこれ1枚しか優秀なタッチカードがないようでしたら採用は見送ったほうが良いでしょう)

《定員過剰の墓地/Oversold Cemetery(ONS)》
強烈なアドバンテージカードです。取れたらタッチ採用する価値は十二分にあります。

《虫つぶし/Swat(ONS)》
色マナ拘束がきついですが無色サイクリングのおかげでタッチ採用が可能です。大半はサイクリングすることになるでしょう。それでもタッチ黒を決めているなら採用の価値はあります。

《アフェットの駆除屋/Aphetto Exterminator(LGN)》
《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu(PS)》似のナイスガイです。Moprh能力のため、タッチ採用にはうってつけのカードです。

《生命を破滅させるもの/Bane of the Living(LGN)》
色拘束が強いですが、《蔓延/Infest(ONS)》と同じ理由でタッチ採用を考えるだけの価値があります。

《皮を剥ぐ者/Skinthinner(LGN)》
《残酷な蘇生/Cruel Revival(ONS)》と同じ理由でタッチするだけの価値があります。Morphなので《残酷な蘇生/Cruel Revival(ONS)》とは違った場面でも活躍できます。タッチMorph戦略に最も適したカードです。

《煙吐く発動者/Smokespew Invoker(LGN)》
回り始めるのが8マナからとかなり重いカードですが、戦場を支配するだけの力があります。くわえて色拘束の少ない3マナパワー3というのも評価できます。タッチ採用に適したカードでしょう。

赤:
赤の除去は色拘束が薄く、あらゆる場面で役に立ちます。特にレギオンにクリーチャーのスペースを取られているために小回りの聞くインスタント除去はかなりの有用性を持ちます。また、繰り返し使える除去、全体除去はタッチ採用の価値があります。

《憤怒の冠/Crown of Fury(ONS)》
特にパワーの高い緑や挑発を持つ白と相性が良いです。この環境でパワー3以上の先制攻撃は大きな意義をもちます。

《ドラゴンの休息地/Dragon Roost(ONS)》
マナ拘束がきついですが、回り始めれば除去されない超大型クリーチャーと同様です。マナバランスを調整して採用してみましょう。

《うつろう爆発/Erratic Explosion(ONS)》
特に重めの構成のデッキに適しています。Morph中心に組んでいれば、そのようなデッキタイプが仕上がるでしょう。

《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter(ONS)》
うまく使いこなすことで盤上の支配を握ることができます。

《溶岩使いの技/Lavamancer's Skill(ONS)》
青赤で最も重宝されるカードですが、他の色にとってもそれなりに有用です。

《不毛化/Lay Waste(ONS)》
そのサイクリング能力により、タッチを検討してよいカードです。時には相手の副色を殺して勝利に貢献することもあります。

《稲妻の裂け目/Lightning Rift(ONS)》
環境内にのさばる複数回火力。多量のサイクリングと共にタッチ採用の価値があるでしょう。

《焼けつく肉体/Searing Flesh(ONS)》
パンチ力の低いデッキにとっては重宝されます。ただ、あまりにパンチ力の低い(=コントロールにシフトしている)デッキタイプに入ることはないでしょう。タッチ採用するかどうかは見極めが必要です。

《ショック/Shock(ONS)》
除去カードに求められているのは厄介なシステムクリーチャーの排除。白や緑、青にとって《火花鍛冶/Sparksmith(ONS)》、《幸運を祈る者/Wellwisher(ONS)》、《戦場の衛生兵/Battlefield Medic(ONS)》は頭痛の種となります。《ショック》はそんなカードたちをテンポを損なうことなく排除してくれます。

《めった切り/Slice and Dice(ONS)》
色拘束が濃いものの効果絶大なカード。サイクリングによるキャントリップ《微震/Tremor(MM)》の能力も侮れない。

《陽光の突風/Solar Blast(ONS)》
環境内の標準除去カード。サイクリングの色拘束が強いのが残念だが、普通に使用するだけでも十分強力。除去がない色にとってはタッチ採用する価値は十分あるでしょう。

《星の嵐/Starstorm(ONS)》
色拘束が残念だが、サイクリングがついているのでタッチしやすい神のカード。効果は語るまでもない。

《無頓着の波/Wave of Indifference(ONS)》
ENDカードの代表格。タッチ赤にはうってつけの能力。

《戦争の言葉/Words of War(ONS)》
ドローが全て《ショック/Shock(ONS)》にかわる。改めて《ショック》の偉大さをかみ締めてみるのもいい。

《炎波の発動者/Flamewave Invoker(LGN)》
”発動者ゲー”といわれているシールド戦では有用なENDカードでしょう。

《鎚鉾尾のヒストロドン/Macetail Hystrodon(LGN)》
重くて涙が出そうですが、無色サイクリングのおかげでタッチ採用しやすくなっています。

《泥岩皮の根こそぎ獣/Shaleskin Plower(LGN)》
あまり歓迎できない能力ですが、時折相手の副色を殺すことで優位に立てたりします。《不毛化/Lay Waste(UZ)》と同じような感じで考えて見ましょう。

《スカークの匪賊/Skirk Marauder(LGN)》
レギオンならではの万能タッチクリーチャーです。Morph戦略の根幹をなします。

緑:
緑に求められているものはファッティです。他の色にないこの要素はタッチ採用に値するものがあります。

《樹皮革のやっかいもの/Barkhide Mauler(ONS)》
2マナサイクリングと5マナ4/4の巨体。全ての緑のカードの中で最もタッチしやすいカードです。あらゆる場面で役に立たないことはありません。

《毒吐きゴルナ/Spitting Gourna(ONS)》
Morphが基本。少ない色拘束で飛行をブロックできる中量級というかけがえのない能力を与えてくれる。赤や黒にとっては御の字。青や白にとってもそのサイズは頼りになるでしょう。

《そびえ立つベイロス/Towering Baloth(ONS)》
基本はMorph。後半マナが余ったら7/6。十分。

《樹を跳ねるロリアン/Treespring Lorian(ONS)》
《樹皮革のやっかいもの/Barkhide Mauler(ONS)》の兄弟とも言える存在。役割的には全く一緒。

《超大なベイロス/Enormous Baloth(LGN)》
汎用性はありませんが、ここまで重くてでかいとタッチ採用の対象になりうるでしょう。

《ハンドルーグ/Hundroog(LGN)》
《樹皮革のやっかいもの/Barkhide Mauler(ONS)》の親玉です。タッチには最適でしょう。

《ナントゥーコ自警団/Nantuko Vigilante(LGN)》
メインから《帰化/Naturalize(ONS)》や《啓蒙/Demystify(ONS)》を入れるのはためらわれますが、こういうカードなら是非採用したいところでしょう。

《岩石樹の発動者/Stonewood Invoker(LGN)》
万が一序盤に出ればそれなりの活躍が期待できます。終盤ではファッティとなります。が、居並ぶMoprhやサイクリング付のファッティと比べるとやや見劣りします。

4. 実際の戦略
 2項目でタッチ採用すべきカードの基準を述べました。3項目では実際にタッチ採用する価値のあるカードを挙げました。しかし、実戦ではどのような考え方、もしくはピックを心がければいいのでしょうか?

 基軸となるのはメインカラーの構成です。タッチ採用はあくまでメインカラーの2色を補う形で行うのが理想です。デッキに黒が含まれている場合はタッチ赤の必要性は薄まりますし、青や白でもそこそこのファッティがそろえられたなら無理に緑のファッティをくわえる必要はありません。タッチする状況としては例えば青白Bird中心系の構成ならぜひともタッチ赤は考慮したいところですし、赤緑系では対処しづらい相手のファッティや爆弾カードを抑えるためにタッチ白で《平和な心/Pacifism(ONS)》や《鞭縄使い/Whipcorder(ONS)》は入れておきたいところです。白黒クレリックは膠着しやすいですから黒で《戦慄の葬送歌/Dirge of Dread(ONS)》が取れなかった場合には、タッチ赤で《無頓着の波/Wave of Indifference(ONS)》や《焼けつく肉体/Searing Flesh(ONS)》を入れたいところですし、青黒といったサイズに問題のあるアーキタイプには《樹皮革のやっかいもの/Barkhide Mauler(ONS)》や《毒吐きゴルナ/Spitting Gourna(ONS)》などのファッティを加えたいものです。
 シールド戦ではこのようにメインカラーに欠けている要素を補う形でタッチ3色目というのを考慮できます。 ではブースタードラフトではどのように考えればいいのでしょうか? ブースタードラフトでは基軸となる1色、若しくは2色目まで決めた後にも上で挙げたようなカードを取っておくことが必要です。 これは意識的な問題で、基軸の2色が決まった後もタッチ採用しやすいカードに注目しつづけろ、ということです。 または迷ったときにはタッチしやすいカードから入るということも考えられます。いずれにせよ、サイクリング、Morphといういかにもタッチしやすい性質の多いカードが多く用意されているのですから、タッチ3色目を意識した柔軟なドラフティングが必要となります。

 また土地比率についても環境独自の考察が必要となります。ONLEG環境は重いです。18枚の土地が標準だという意見が多いようです。実際はマナカーブやデッキ構成によって17枚であることも考えられますが、サイクリング土地がコモンに存在することも考えると、これを含めて18枚くらいの枚数が経験的に一番しっくり来るように思えます。その場合の主な土地構成として
メイン:9〜12
サブ :6〜8
タッチ:2〜4
くらいの構成がよいでしょうか。もちろんこれはカードの色拘束や比率によって左右されます。ただ、ONLEG環境は無色サイクリングやMorphのおかげでタッチ色にやや少な目の土地でいっても問題ないと考えられます。色拘束が全て1点で済むタッチカードのみを採用した場合、2,3枚の土地でも十分です。多数存在するサイクリングカードにより、通常よりも早めにタッチ土地に到達できる点も見逃せません。
 またタッチ土地にサイクリングランドを適用するかどうかについても十分な考察が必要になります。タッチ土地は数少ないのでほとんどの場合セットすることになるはずです。そこで1ターンのラグが存在するサイクリングランドを適用すべきかどうか。それでも採用したほうが恩恵は大きいと私自身は考えます。ですが、それを立証するような経験や確かな理論は今はありません(すいません)。この辺も今後の課題となるでしょう。

 タッチ3色にするよりも2色で堅実に構成したほうが安定することも十分に考えられます。 ですが、ドラフティングの途中で、自分のメインアーキタイプに欠けているものがないか、よく考えながらタッチ3色目の必要性を考慮してみてください。 WoC社は従来にはない方法でタッチ3色目の可能性を押し広げてくれているように感じられます。 メインカラーのみに目を奪われないような広い視野を持って限定戦の渦中を駆け抜けていきましょう。

<まとめ>

・メインカラー2色の性質を見極める
・メインカラー2色の弱点を補えるような、タッチしやすいカードを集める(採用する)
・無理に3色にしない

5. 補足
 最後にタッチカードの目安となるアーキタイプとカード例をあげておきます。参考になるかどうかはわかりませんが、あなたのタッチ3色目への理解の一助になれば幸いです。

青赤+タッチ緑(《樹皮革のやっかいもの/Barkhide Mauler(ONS)》、《毒吐きゴルナ/Spitting Gourna(ONS)》)
緑赤+タッチ白(《平和な心/Pacifism(ONS)》)
白黒+タッチ青(Illusion系、《秘密調査員/Covert Operative(LGN)》)
青白+タッチ赤(《ショック/Shock(ONS)》、《陽光の突風/Solar Blast(ONS)》、《スカークの匪賊/Skirk Marauder(LGN)》)
緑黒(タッチ必要なし)


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