エルフ戦略の是非
Legion発売直後のON・LEG・LEGのブースタードラフトは大変刺激的だった。というか、仲間内の一人のデッキに驚嘆させられた。そのデ
ッキは・・・Elves!(エルフデッキ)ON×3環境では取りざたも去れなかったエルフが一躍主役となったこのアーキタイプは我々を驚か
すに十分なパフォーマンスを秘めていた。とにもかくにも、このアーキタイプで主役をなすのはこのコモンエルフである。
《森林守りのエルフ/Timberwatch Elf(LGN)》
2G
Creature - Elf(エルフ)
1/2
T:クリーチャー1体を対象とし、それはターン終了時まで+X/+Xの修正を受ける。Xは場に出ているエルフの数である。
これが場に2体並び、他のエルフが3体いたとしよう。そして3体でアタック。通った1体に《森林守りのエルフ》を全て注ぎ込めば・・
・+10/+10修正が本体に突き抜けることになる!実際に構築されたElves!は次のようなものだった。
LimitedElves!(緑青赤)
《エルフの開拓者/Elvish Pioneer(ONS)》
《森林守りのエルフ/Timberwatch Elf(LGN)》×5
《樺の知識のレインジャー/Birchlore Rangers(ONS)》
《ワイアウッドの伝令/Wirewood Herald(ONS)》
《ワイアウッドのエルフ/Wirewood Elf(ONS)》
《果敢なエルフ/Defiant Elf(LGN)》
《岩石樹の発動者/Stonewood Invoker(LGN)》
《魂を養うエルフ/Elvish Soultiller(LGN)》
《宝石の手の徘徊者/Gempalm Strider(LGN)》
《ハンドルーグ/Hundroog(LGN)》
《野生の守護人/Patron of the Wild(LGN)》×2
《ワイアウッドの媒介者/Wirewood Channeler(LGN)》
《ワイアウッドの養虫人/Wirewood Hivemaster(LGN)》
《エルフの案内/Elvish Guidance(ONS)》
《鎚鉾尾のヒストロドン/Macetail Hystrodon(LGN)》
《秘密調査員/Covert Operative(LGN)》
《逃げ出したプライモック/Primoc Escapee(LGN)》
《慧眼のエイヴン/Keeneye Aven(LGN)》
あと1枚忘れた
・・・まぁLegionが2パックという通常ありえないフォーマットなので、《森林守りのエルフ》×5!とかなっているが、そこは愛嬌。
でも、スモールエキスパンションだし、運がよければ1パックでも2,3枚は期待できるのではなかろうか?それにElves!でもないアー
キタイプではこれよりも優先して取るべきカードはたくさんある。
このアーキタイプの動きは単純だ。
1つ目は序盤はとにかくエルフを並べる。そして中盤に《森林守りのエルフ》を出して大パンチを強打する。トランプルもちだったり、
回避能力がついてればなおのこと良い。ゲーム中では+22/+22されて一撃死させられたし(残念ながら私は殺されたほうだった)、他のゲ
ーム中でも同様の死に方をしたプレイヤーは多かった。
そして2つ目は高速マナブーストからの大型クリーチャー召還。これが結構バカにならない。《エルフの案内》からマナ供給を受けて《
岩石樹の発動者》がいきなり発動し始めたり、《逃げ出したプライモック》が5ターン目に出て殴り始めたり・・・。
さて改めてわざわざElves!というアーキタイプについて書いたのは、たまたま作成された上記のデッキがすごかったというのもあるが
、ON×3の青赤のように特殊な戦略として十分なパフォーマンスを持っているのではないかと思ったからだ。ただ正直自信がないのでここ
らで一度環境全体のエルフカードを見直して、はたして本当に限定戦でElves!を構築する意味があるのか検証してみようと思う。
≪オンスロート≫
《クリーチャー名》:通常の点数:Elves!での点数
コモン:
《樺の知識のレインジャー/Birchlore Rangers(ONS)》:5:7
Morphもちの1/1。マナブーストと色事故回避を兼ねるそこそこいい奴。だけど、通常のBeast主体なデッキでは採用されることはないと
思われる。よって中盤以降になってからでも十分回収が可能なある意味ナイスカード。
《エルフの潰し屋/Elvish Scrapper(ONS)》:4:5
何の能力も持たない1マナエルフ。まぁ、、、、一応取っておこう。中盤以降にね。
《幸運を祈る者/Wellwisher(ONS)》:7:8
ご存知、環境内最悪コモンの一つ。とくにElves!では極悪な働きをしてくれるに違いない。青や白をメインにしてる人はカットしてく
る恐れがあるので早めに取っておきたい逸品ではある。
《ワイアウッドの伝令/Wirewood Herald(ONS)》:6:8
アンブロッカブル・・・と偽情報を書いてみたりする。大抵アタックしても相手はブロックしてくれない。Morph持ちだったらかなり気
持ち悪い働きができたのになぁとそれが残念でならない。Elves!をやるなら万能サーチカードとして必須な一枚。
《ワイアウッドのエルフ/Wirewood Elf(ONS)》:6:7
《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves(7E)》の後継者。Elves!ではエルフを提供し、かつマナブーストに貢献する。これも必要なパー
ツに違いない。特にLegionではファッティが増えたのでテンポに貢献する割合大。
《エルフの開拓者/Elvish Pioneer(ONS)》:5:6
マナブースト・・・なのか?Elves!なアーキタイプでなければできれば入れたくないたぐいのカードだろうが、Elvesデッキでは1マナ
エルフというだけで十分。とはいえ決して中盤以前でピックしないように。
《エルフの案内/Elvish Guidance(ONS)》:4:5
マナブーストカード。上記のデッキでも入ってはいるが・・・自身はエルフではない(当然か)ので再考した方がいかも。勝ち手段2(
高速マナブースト)がデッキの主眼になるようなら入れても良いか。
《路を拓くエルフ/Elvish Pathcutter(ONS)》:4:5
さすがにそのパフォーマンスの悪さでElves!にすら採用されなかったエルフ。何回見ても微妙だが、どうせ後半まで回ってるのでその
ときに抑えておこう。
《エルフの戦士/Elvish Warrior(ONS)》:7:8
なにかと話題な2マナ域最強エルフ。その強烈な色拘束のせいで嫌う人もいるらしいが、Elves!にとっては願ったりかなったり。おいし
くいただいておこう。
《共生するエルフ/Symbiotic Elf(ONS)》:7:7
《ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk(ONS)》とのシナジィで有名なカードだが、汎用的に役立つナイスカード。これは早めに抑えておい
たほうが良いかな。
《嘲るエルフ/Taunting Elf(ONS)》:6:6
初手取り!という人とクズという人が2種類いる。因みに私は後者。でもElves!ではいるだけで存在価値がある。中盤以降に回ってい
ればいただいておこう。
《ワイアウッドの誇り/Wirewood Pride(ONS)》:5:7
ある意味勝ち手段。おそらく終盤まで回っているだろうから取るのはそのとき。でもElves!では重要な働きをするカードだ。
《ワイアウッドの番小屋/Wirewood Lodge(ONS)》
アドバンテージエルフ。他の緑プレイヤーも率先して取ってくるだろうから、早めに抑えておこう。Elves!に限らず緑やるなら欲しい
パーツ。Beastは赤や黒や青にも存在する。相手のBeast召還を見逃さないように。
アンコモン:
《血統のシャーマン/Bloodline Shaman(ONS)》:6:8
Elves!ならば問題なく入る一枚。他のBeastだとかか主軸のデッキでも入れる人はいるだろうか?あまりお勧めはできないのだが・・・
。
《エルフの騎手/Elven Riders(ONS)》:7:7
ファッティエルフ。かつ緑にとっては重要な回避能力を持っているとあって評価もなかなかのもの。こういうElves!以外のデッキでも役
立ちそうなカードは序盤から集めておこう。
《常籠手の急使/Everglove Courier(ONS)》:6:7
ナイス能力。Elves!には必須パーツ。単体の性能もそこそこなので早めに抑えても良いかも。
《頓着無き者/Heedless One(ONS)》:6:8
ある意味第3の勝ち手段か。アンコモンなのでこれを狙うことはできないが、取れたらElves!ではいい働きをしてくれるでしょう。どう
せこれも中盤以降まで回ってそうだし。
《部族の団結/Tribal Unity(ONS)》:5:7
Elves!だと凶悪な効果を発揮するカード。とはいえ、全体でアタックするには少し勇気がいるが・・。まぁ中盤くらいまで回ってると
は思うけど。
レア:
《森林の声/Voice of the Woods(ONS)》:6:9
通常1手目では取らないだろう。でもエルフ戦略について十分な知識と戦略を持っているのなら・・・1周してきた9手目においしくい
ただいておこう。やや言いすぎたがElves!にはすばらしい恩恵をもたらしてくれるGodカードだ。中盤でこれを見かけたら、エルフに意識
を傾けてみよう。
それとここには載せてないが、各種ファッティビーストだ。
≪レギオン≫
コモン:
《果敢なエルフ/Defiant Elf(LGN)》:4:6
クソ1マナ1/1。だがElves!には必要なカード。終盤にピック。
《野生の守護人/Patron of the Wild(LGN)》:7:8
普通に使ってもナイスカードなので、早めにピックしてしまおう。もちろんElves!ならば+3/+3した挙句にエルフの人口が増えるという
おいしさ。
《岩石樹の発動者/Stonewood Invoker(LGN)》:7:8
ナイスカード。本当にナイスカード。序盤は熊。終盤は勝ち手段。しかも、マナブーストを計算に入れると結構な速さで7/7になったり
する。早めにピック。
《森林守りのエルフ/Timberwatch Elf(LGN)》:7:9
キーカード。何気に単体の性能もそこそこ優秀なので見た瞬間にピックしておこう。Elves!ではあらゆるレアに優先して手にすべき(
ほんと!?)。
アンコモン:
《宝石の手の徘徊者/Gempalm Strider(LGN)》:6:8
エルフたちにすばらしい恩恵を施してくれるナイスカード。これも積極的にとりに行くものではないが、Legionの頃には本気でElves!
に行くかどうか覚悟が決まってると思うので、覚悟があるなら早めにピック。
《ワイアウッドの媒介者/Wirewood Channeler(LGN)》:6:7
やや重めだが、マナブーストタイプに傾いているなら採用がありうる。終盤まで回っていると思うのでそのときに。
《ワイアウッドの養虫人/Wirewood Hivemaster(LGN)》:5:8
アンコモンなので狙うわけには行かないが、Elves!には心強い味方だろう。それに中盤付近まで回っている可能性は十分にある。
レア:
《魂を養うエルフ/Elvish Soultiller(LGN)》:7:7
ファッティエルフ。いや字のとおり。でも他のデッキでも役に立つので早めに抑えておこう。
《部族の腕力魔道士/Tribal Forcemage(LGN)》:7:7
Elves!のエンドカード。擬似《踏み荒らし/Overrun(OD)》変異能力はインスタントなので《踏み荒らし》より裏をかけそう。・・・い
や、いくらなんでもオールアタックしたら警戒されるか・・・。
まず、カードをざっと見回して思うことは「Elves!でしか役に立たない(=中盤以降でピックできる)カードが多い」ということ。つ
まりElves!は序盤からキメ打ちするのではなく序盤は通常のピックをし、中盤以降のもったりしてきたときにエルフ系カードを集めてお
く、ということが可能なわけだ。いわば保険である。そして2パック目以降で「イケる」と思ったときにElves!に走ればいいのだ。優秀
なエルフがLegionに集まっているのもこれを後押ししている。ピックするときには「通常でも役に立つエルフカード」と「Elves!でしか
役に立たないエルフカード」の区別をしっかりつけられることが大切だ。
一つ気をつけておかねばならないのは、かぶったとき。卓に2人以上同じ考えの人がいるとかなり不利に働いてくる。
ここは無理だと思ったら素直に引き、かつ今までのカードで普通の(まぁBeast主体になるか)デッキが作れるくらいの気持ちで行くのがちょうどいいだろう。
Elves!はLegion出たての今だからこそ通じる「地雷」戦略ともいえる。しかし地雷とはいえ序盤の動きを見ながら保険的な戦略も可能なわけで、そこそこ柔軟性があるといえよう。個人的にはどこかのメジャーな大会でエルフデッキが優勝してもおかしくないかなーとか思ってる(言い過ぎか??
)。
というわけでON・ON・LEGな今が旬なElves!。一つ狙ってみてはいかがだろうか?
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