メンタルマジックの概要


 ここでご紹介する「メンタルマジック」は、過去にホビージャパンの公式サイトで紹介された非公式フォーマットを我々が独自にアレンジしたものです。 前記の記事を読んだときに「ああ、マジックって本当にすごいゲームなんだなぁ」と思い知らされました。 必要なものは適当なマジックのカード(いや、本当に適当なカードの束が80枚くらい)とカードに対するあなた方の知識だけなんです。おっともう一つ大切なのが、「記憶力」。これはやってみればわかります。

□メンタルマジックに必要なもの
・エキスパンション、カードタイプを問わず、プレイヤーは40枚のライブラリを用意する。
・ライフは20点、初期手札は7枚とする。

□メンタルマジックに置いてのルール
・大体は通常のマジックのリーガルルールに従う。
・メンタルマジック内で使用できるカードのエキスパンションタイプを両者同意の上で決定しておく。 (例:サーガブロックのみ、スタンダード、etc)
・一度宣言された呪文や特殊地形カードは、そのゲーム内では2度と使用できない。(打ち消された場合でも同様である)
・呪文の宣言をし、スタックに載せたり解決した後でそのカードの能力を正しく陳述できなかった場合は、そのカードのプレイは蒔き戻され、間違いを犯したプレイヤーはその呪文を使用することはできなくなる(対戦相手は可能である)。 巻き戻しできないくらいゲームが進行している場合は、下記の「宣言」の項目を参照。
・大原則として「プレイする」「能力を使用する」「何かしらの能力で場に出る、もしくはスタックにのる」場合、そのマナコスト(場合によってはクリーチャータイプやカードタイプ)があっていれば、使用可能エキスパンション内での適切なカード名を宣言することで、そのカードは宣言したカードとして扱われる。

□宣言
※「宣言」はメンタルマジックの中で頻出する行為である。以下にその概要を定める。
・プレイヤーがカード名を「宣言」したとき、そのカードが適切な宣言であるならそのカードは宣言されたカードとして扱う。
・適切な宣言とは、宣言したプレイヤーがその宣言したカードの「カード名、カードタイプ、マナコスト、能力(能力に必要なコスト、条件)、パワー/タフネス」を正確に陳述できるかが確認された時点で成立する。 このさい対戦相手やギャラリーが、任意に宣言をしたプレイヤーにカードの陳述をするよう求めてもかまわない。
・宣言に関する特殊ルールとして、宣言されたカードに対して2人のプレイヤーの意見が対立することがあげられる。この場合ゲームを中断し、ネットや書籍、第3者などを利用して回答を模索する。そして、敗北したプレイヤーはLIFEを2点失うとする。もちろん、両方とも間違っていた場合両者ともライフを2点失う。
・ただし、両者合意の下で宣言に関する適宜性を変えてもかまわない。具体例としては宣言時にカードの名前がいえなくても、大体の能力が陳述できればOKとする、などである。また多少の単語のいい間違い、能力の言い間違い等について深くルールを適用しすぎることはゲームをつまらなくする恐れがある。
・またゲームがある程度進行したところで、宣言の間違いが発覚したとする。この場合は即座に使われたカードをリムーブし、宣言の間違いが発覚したプレイヤーはライフを2点失う。それまでに適用された効果はそのまま巻き戻しなどはしないとする。 ただし、そのカードによって生成されたトークンや永続的な効果は、これもゲームから除外するものとする。

□カードの種類
 手札のカードには2種類の使い方が存在する。

a.土地としてプレイする
 全てのカードは裏向きにして場に出すことで、土地としてプレイできる。この場合出された裏向きのカードは、「地形タイプを持たず、好きな色マナ一点を出すマナ能力をもつ基本地形」として扱う。わかりやすく言うと「好きな色を出す、平地でも島でも山でも沼でも森でもない基本地形」という扱いである。

b.呪文としてプレイする
 全てのカードは、色、カードタイプ、クリーチャータイプ、パワー/タフネス、能力を無視して、総マナコストの数さえあっていれば使用可能エキスパンション内の任意の呪文としてプレイできる。つまり、手札に「Shock」があり、使用可能エキスパンションで「オデッセイブロック」と定めていればその「Shock」は「Firebolt」としてでも、「BaskingRootwalla」としてでもプレイが可能である。ただし、「Shock」や「Assalt」としてはプレイ不可能である(使用可能エキスパンションの範囲カードではないため)。また、呪文のプレイによって場に出たパーマネントは、引き続きその能力を維持する。つまり、「BaskingRootwalla」として場に出た「Shock」は、そのまま「BaskingRootwalla」として場に残りつづける。

c.手札にあるときの能力を使用する
 以下の3つの能力はカードが手札にあるとき、もしくは通常出ない状態での能力の使用に関する決め事である。
1.マッドネス
 マッドネスはディスカードが発生したときに、ディスカードした側のコントローラがそのカードのマッドネス宣言を行えば、マッドネス能力が誘発する。 ただし、宣言したカードは適切なマッドネス能力を持つカードでなければならない。
2.サイクリング
 サイクリングも問題なく使用できるし、宣言のルールに従って解決される。たとえば「SolarBlast」をサイクリングし、その誘発型能力を使った場合でも使わない場合でも、そのゲーム内では「SolarBlast」を使用できなくなる。
3.Morph
 Morphカードをプレイするときはメンタルマジック特有のルールを適用しなくてはならない。 まず手札のカードはマナコストさえあっていれば適切なMorphカードとして裏向きにプレイすることは可能である。 しかし裏向きにプレイしたあとにそのカード名を他で宣言されてしまった場合、もはやそのカードを宣言されたカードとして表向きにすることはできなくなる。 この場合そのマナ域の適切な別のMorphカード名を宣言しない限り通常は表向きにならないであろう。またこの状態でバウンス、リムーブ、ゲームの終了などでその裏向きのカードの正体を言わなくてはならなくなったときには、同マナ域の別のカードを言うかさもなくば「宣言に敗北した」として、すでに宣言されているカード名を言ってLIFEを2点失うかのどちらかを選択するとする。 リムーブされた場合はこの場合に限り、リムーブされたままになるのが妥当だといえよう。ゲームが終了した場合は、そのまま素直に「宣言の敗北」を認めることになるだろうがゲームの勝敗には影響しないとする。

d.手札の土地をプレイする
 手札に土地カードがある場合は特殊なルールに従う。そのカードは適切な土地(基本地形でも特殊地形でも)としてのプレイが可能である。もちろんその際の宣言は通常通り行われる。また、土地カードも普通のカードと同じように裏向きで「あらゆる色マナを出す無名の基本地形」としてプレイすることが可能である。これまでで0マナアーティファクトを特殊地形としてプレイする例が見受けられたが、これは今後できないものとする。(あくまで0マナ域の適切な呪文カードとしてプレイする)。

例:あなたの手札に「KarplusanForest」があり、使用可能エキスパンションが「マスクス・ブロック」であったとする。あなたは「KarplusanForest」を「RishardanPort」として表向きにプレイした。これは正しい例である。また、「山」としてプレイすることも可能であるし、裏向きにして「あらゆる色マナを出す無名の基本地形」としてもプレイできる。

□カードの役割
 メンタルマジック内のでカードの扱いは通常のマジックのルールとは異なる

a.ライブラリー内のカード
 ライブラリー内のカードは「そのカードの持つ色、マナコスト、カードタイプ(土地、ソーサリー、インスタント、エンチャント、アーティファクト、クリーチャー)」を持つカードとして認識する。「能力、カード名、クリーチャータイプ」はそのカードの種類によらず、なにも持たないものとする。ただし、それらは手札に来た場合にはメンタルマジックのカードプレイルールに従ったあらゆるプレイが可能となる。

例:あなたが「RemosianSergent」をコントロールしており、その起動型能力を起動して「ライブラリー内から2マナ以下のレベルを探してきて場に出す」際、通常はライブラリー内のカードはクリーチャータイプを持たないが、「RemosianSergent」の能力によって「2マナ以下のクリーチャーカードであるなら」それを「2マナ以下の適切で宣言されていないレベルカード」として場に出してよい。これは、ライブラリーをサーチする際にサーチしたカードに大して宣言を行うことによって「カード名、クリーチャータイプ、能力」を与えるということと理解すればよい。もちろん、その宣言は適切でなければならなく、対戦相手およびギャラリーなどはその宣言に対しての適宜性を問いただすことができる。

例:あなたが「EmbermageGoblin」を場に出したときに、「同名の名を持つカードをサーチしてきてそれを公開し、手札に入れてよい」という誘発型能力を解決するときに、ライブラリーをサーチしたときに「同じマナ域のクリーチャーカードあれば」本来ならそれを「EmbermageGoblin」と宣言することは可能なように思える。が、通常はすでに「EmbermageGoblin」はプレイされるか、若しくはなんらかの効果で場に出ることで、すでに宣言されているため、新たに宣言を行うことはできない。つまり、この能力で手札にくわえることはできない。

例:あなたが「FuturSight」をコントロールしている場合、その常在型能力によってライブラリーの一番上のカードは公開されたままとなる。このカードは「FuturSight」の能力により「手札にあるかのようにプレイしてよい」ので、メンタルマジックの手札にあるカードのプレイの仕方にのっとって、ルール内のあらゆるプレイが可能となる。土地としてのプレイも可能である。(ただし、"サイクリングは実際の手札にない限りはできない"などの大本のルールには従うだろう)

例:あなたが「EnlightedTuter」をプレイした場合、ライブラリーの中から好きな「エンチャントもしくはアーティファクトカード」をサーチし、公開してライブラリーのトップに置くことができる。その後手札に入った場合は、そのカードは通常のメンタルマジックのルールに従ってあらゆる適切なカードとしてプレイすることが可能となる。

b.スタック上のカード
 スタックに移動したカードは、プレイしたときに宣言したカードがもつあらゆる性質を持つ。もとのカードの持つ、あらゆる能力は無視される。

c.墓地のカード
 墓地のカードは「そのカードの持つ色、マナコスト、カードタイプ(土地、ソーサリー、インスタント、エンチャント、アーティファクト、クリーチャー)」を持つカードとして認識する。「カード名、能力、クリーチャータイプ」はその種類によらず、なにも持たないものとする。ただし、墓地へ移動する前の記憶は全て失っている。また、カードが墓地に落ちたときに誘発する能力は誘発する。ただし、墓地に落ちたカード自体はその記憶を失ったあとに、能力の誘発→解決を行うため注意が必要となる。
 また、特殊な例としてリアニメートが存在する。この場合、選ばれた墓地のクリーチャーカード(あくまでクリーチャーカードしかリアニメートはできない!)は場に出る際に、"使用可能エキスパンション内で「宣言されていない」適切なクリーチャー"として場に出る。このとき各プレイヤーが同時にクリーチャーの宣言を行わなければならない場合、アクティブプレイヤーから順に宣言を行うとする。当然"宣言された"クリーチャー名は次に宣言するプレイヤーの選択対象から外れることになる。(この場合、宣言したプレイヤーに宣言したクリーチャーのあらゆる能力について陳述を求めることは可能である。これに十分に応じれなかった場合その宣言は無効となり、失敗したプレイヤーは新たな宣言を行う必要がある) また宣言を放棄した場合、それは単にリアニメート能力が打ち消されたものとみなされる。

例:あなたが"元のカード"「GiantGrowth」を「Lancor」としてコントロールしているときに、「Lancor」が場から墓地に落ちた。その際に「Lancorを手札に戻してよい」という誘発型能力が誘発するが、それの解決時には「GiantGrowth」は"単なる1マナ域のインスタントカードとして"墓地に存在するので、それを手札に戻すことはできない。(もし、そのカードが"実際に"「Lancor」だった場合でも回収は不可能である)

例:あなたが"元のカード"「AnuridBrushhopper」を「NetherSpilit」としてコントロールしているときに、「NetherSpilit」が墓地に落ちた。その際に「NetherSpilt」を場に戻しても良い」という誘発型能力が誘発するが、それの解決時には「AnuridBrushhopper」は"単なる3マナ域のクリーチャーカード"として墓地に存在するので、それを場に戻すことはできない。(もし、そのカードが"実際に"「NetherSpilit」だった場合でも場に戻すことは不可能である)

例:使用可能エキスパンションがインベイジョンブロックのゲーム内で、あなたが「TwailightCall」をプレイし、あなたは墓地の「WildMongrel」を、対戦相手は墓地の「Maddog」を選択したとする。このときあなたは「WildMongrel」を「GoblinLegioner」として場に出すことを宣言し、場に出す。次に対戦相手が「Maddog」を場に出す際に、適切な2マナ域のクリーチャーを宣言できなかったので、それを放棄したとする。この場合、対戦相手の「TwaighlightCall」の能力は打ち消されたものとして、場には何も出ないままゲームは進行する。

例:あなたが、墓地にある「DeadlyInsect」を「Gigapede」として、その「墓地から手札に戻す」起動型能力をプレイする。これは適切なプレイではない。これは"実際に"「Gigapede」が墓地にあったとしても適切ではない。メンタルマジックのルールにより、「墓地にあるカードはあらゆる能力を持たない」と定められているからである。インカーネーションなども、このルールに従う。

例:あなたが「Reclaim」をプレイした。あなたは墓地にある「WildMongrel」をライブラリートップに戻すことを選択した。この場合、あなたは「WildMongrel」をライブラーリートップに戻してよい。この後にライブラリーからドローした「WildMongrel」は、通常のメンタルマジックのルールに従ってあらゆる適切なカードとしてプレイすることが可能となる。

例:あなたが「Auramancer」をプレイした。あなたはあなたは墓地にある「Opposition」を手札に戻すことを選択した。この場合、あなたは「Opposition」を手札に戻してよい。この後、手札の「Opposition」は、通常のメンタルマジックのルールに従ってあらゆる適切なカードとしてプレイすることが可能となる。


・・・その他、ルール上で矛盾の起こったことは筆者まで報告・・・ではなく、貴方たち自身で解決していただきたい!(なるべくゲームが楽しくなる方向で、ね)

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